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週のはじめに考える 安保法施行10年の現在地(「東京」)
2026年3月29日
【東京新聞】3月29日<社説>週のはじめに考える 安保法施行10年の現在地
 当時の安倍晋三政権が成立を強行した安全保障関連法の施行から10年。この間、政府が「平和安全法制」と名付けた法律適用の可否がこれほど注目を集めたことはなかったのではないでしょうか。
 イランへの先制攻撃に踏み切ったトランプ米大統領が、日本や中韓両国、欧州各国に要求していた中東ホルムズ海峡の安全確保に向けた艦船派遣です。
 米東部時間19日の日米首脳会談では高市早苗首相がトランプ氏の要求にどう答えるかが焦点でしたが、高市氏は「法律の範囲内で今後もできることをしっかり行う」との表現でホルムズ海峡への自衛隊艦船の派遣には日本の法律に制約があることを説明し、拒んだのです。
 ホルムズ海峡への艦船派遣は、安倍首相自身が、「集団的自衛権の行使」ができる一例として好んで挙げていた典型例です。
 海峡に機雷が敷設され、原油を運ぶタンカーが航行できず、日本に石油が入ってこなければ「日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」として戦時には武力行使に当たる機雷除去も可能との論法です。
 しかし、この場合でも「日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生」することや「他に適当な手段がないこと」が前提ですので、今回のように国際法違反が濃厚な場合には適用できないことは当然でしょう。
 ましてや日本はイランと伝統的に友好関係にあり、イランに敵対行動と映るホルムズ海峡への艦船派遣は得策ではありません。
 高市氏がトランプ氏を批判せず「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と持ち上げたりした振る舞いには批判もありますが、トランプ氏の無理難題をやり過ごし、ぎりぎりのところで踏みとどまったとも言えます。
◆違憲性は拭い切れない
 とはいえ、安保法が妥当な立法だと言い切ることはできません。安保法の根幹である集団的自衛権の行使は今も、戦争放棄と戦力不保持を規定した憲法9条に違反する疑いが拭い切れないからです。最高裁も安保法が合憲か違憲かいまだに判断を避けています。
 集団的自衛権は日本が攻撃されていないにもかかわらず、日本と密接な関係にある他国への武力攻撃を実力で阻止する権利です。
 歴代内閣は日本も独立国として集団的自衛権を有するものの、その行使は憲法が許す範囲を超えるため憲法違反との政府解釈を堅持してきました。その解釈を一内閣の独断で変更し、行使容認に踏み切ったのが安倍内閣です。
 2014年7月に行使容認を閣議決定。15年9月には行使を法律的に可能にする安保法の成立を強行。16年3月に施行しました。
 その後、集団的自衛権の行使には至っていませんが、安倍内閣の行使容認が「ありの一穴」となり戦後日本が安全保障政策の基本方針としてきた「専守防衛」のタガが外れ、軍備拡張が進みます。
 例えば防衛費です。おおむね国内総生産(GDP)比1%程度だった防衛費は2倍程度に増え、さらに上積みされる方向です。東日本大震災の復興のための特別所得税も防衛費に転用されます。
 集団的自衛権の行使同様、憲法の趣旨ではないとされてきた「敵基地攻撃能力の保有」も容認に転じ、他国領域に届く長射程ミサイルの配備も進みます。
 安保法で「抑止力はさらに高まる」はずでしたが、周辺情勢を見渡すと軍事的緊張は以前より高まっています。軍拡競争を加速させる「安全保障のジレンマ」に陥っていると言わざるを得ません。
 台湾有事は日本が集団的自衛権を行使し得る「存立危機事態になり得る」とした高市首相答弁に、中国側が激しく反発し、経済的威圧を強めていることも、安保法が内包する危うさの象徴です。
◆憲法9条あるからこそ
 日米首脳会談に同席した茂木敏充外相は帰国後、テレビの報道番組で、ホルムズ海峡に艦船を派遣できない法律の制約が憲法9条から発することを認めています。
 憲法9条があるからこそ、トランプ氏の無理難題をはねつけることができたとも言えるのです。
 9条は、国内外の人々を戦火に巻き込み、多大な犠牲を強いた戦争を痛切に反省し、政府に再び戦争をさせないための条文です。
 日本国民の命と暮らしを守るためのこの条文の趣旨を、いささかも揺るがしてはならない。そうした思いがますます募る安保法施行10年の節目でもあります。